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紹介【奥野宣之】読書は一冊のノートにまとめなさい【まとめ】



今回は、奥野宣之さんの『読書は1冊のノートにまとめなさい 100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング』。なぜ、読んだのに覚えていないのか?「読みっぱなし」から脱するための、100円ノートを使った読書術『インストール・リーディング』とは、いったいどのような読書法なのか、著者と書籍の紹介、本書の内容をまとめました。

筆者紹介

1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部(ジャーナリズム専攻)を卒業後、出版社や新聞社での勤務を経てフリーランスのライター・著作家に。読書法や知的生産術をはじめ古典の現代語訳、旅の楽しみ方まで、幅広いテーマで執筆活動を続けている。独自の情報整理術を語った『情報は1冊のノートにまとめなさい』(ダイヤモンド社)のシリーズ3冊は累計50万部を超えるベストセラー。近著に『図書館「超」活用術』(朝日新聞出版)、『現代語訳・論語と算盤』(致知出版/渋沢栄一)。

http://okuno0904.com/2019/10/20/%e5%a5%a5%e9%87%8e%e5%ae%a3%e4%b9%8b%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%ef%bc%882019%e5%b9%b410%e6%9c%88%e7%8f%be%e5%9c%a8%ef%bc%89/

紹介文

「買う」「読む」「記録する」「活用する」という読書体験の5段階をノートで効果的にマネジメントし、読んだ内容を確実に自分の財産にする読書術。「マーキング法」「書評活用法」「読み返し法」などのテクニックを大幅増補した改訂版。誰でも今すぐできる、最も効果的な読書ノートの作り方。

https://www.diamond.co.jp/book/9784478022016.html

内容紹介

「読みっぱなし」を解消して、読んだ内容を確実に自分のものにできる!これがインストール・フローだ!

  • 探書リスト作成(探す)・・・ハズレやムダを減らす効果的な「情報収集」と欲しい本の「リストアップ」
  • 指名買い(買う)・・・書店やネットを使った「効率的な本選び」
  • マーキング(読む)・・・「読書ノートへの引用箇所」を探しながらリーディング
  • 読書ノート作成(記録する)・・・重要な箇所だけにフォーカスして「読書ノート」を書く
  • 検索テキスト作成(活用する)・・・読書ノートを、あとで参照できるように「索引化」する

■ 「読みっぱなし」は読んでいないのと一緒

「全部を忘れたんじゃない。きっと何らかのエッセンスが自分に影響を与えているはずだ」(p.3)

しかし、昨日の食事すら、すんなりとは思い出せないのが人間というものです。本だけは「エッセンスが残る」というのは、どう考えても無理があるような気がします。(p.3)

「エッセンスが残る」は願望にすぎない。(p.4)

この読書術は、単に読んだ内容を記憶するのとも違います。いわば本から得た知識を「知恵」へと変化させ、自分の手足のように使いこなせるまで、より深く吸収していきます。パソコンにたとえれば、ただのデータ保存ではなく、インストールするようなイメージ(p.6)

この読書術を本書では「インストール・リーディング」と呼ぶことにします。(p.7)

なぜ簡単なのかというと、使うのは一冊のノートだけだからです。どこにでも売っている大学ノートをフル活用して、読書をマネジメントしていきます。(p.7)


■ 第1章 「ノート」で読書をマネジメント

どこにでも売っている一〇〇円ノートを使って、本の「探し方」「買い方」「読み方」「活用の仕方」をいま以上に効率的にしようということ(p.18)

一元化しておいたほうが、かえって情報同士がリンクして、いろいろな場面で役に立つ(p.24)

書くことを継続するコツ【習慣化・見返りを大きくする・自己流のアレンジ】(p.25)

インストール・リーディングとは、単に速く、多く読みこなす技術ではなく、本の中身をきちんと咀嚼して確実に自分のものにする技術です。(中略)本を確実に自分の中に落とし込み、インストールするためには、「読む」だけではなく、「探す」「買う」「活用する」という読書の流れ(フロー)全体を作り上げる必要があるのです。つまり、読書環境全体でのマネジメントを行う。(p.26)

読みたい本の情報も、読んだ本の情報もノートに一元化します。つまり、情報の「収集」も情報の「記録」も、同じノートにまとめる(p.36)

一冊にまとめるのは「ラクである」・やり方が単純なので「続けられる」・「低コスト」なので、スペースを気にせずいくらでもメモできる・一元化すれば情報は必ず一箇所に「ある」・あとで情報を探しやすいので「活用できる」・自然とデータベースができ、「オリジナルノート」が作れる(p.37)

ノートに一元化する技術【何でもここに書く・時系列を守る・日付を六桁で書く・速記法でラクして書く・とりあえず貼る】(p.39)


■ 第2章 「探書リスト」で主体的・効率的に本を買う

「何のためにこの本を読むのか」ということを自然と意識せざるを得なくなる(中略)リストに「書く」という行為は、読書の目的を再度考えることにつながります。(p.48)

本を読む動機や目的意識は、写真で言うと「ピント」のようなものです。(中略)同じ本でもどう読むかによって、その効能は変わってくるのです。(p.49)

「探書リスト」をつけていると、次第に自分の本当の読書ニーズがわかるようになります。(p.51)

潜水艦には「アクティブ」と「パッシブ」の二つのソナーがあります。アクティブソナーのほうは自分で出した音波が跳ね返ってくるのを計測し、パッシブソナーは対象の船や潜水艦が発する音をキャッチする。主に使われているのはパッシブソナーのほうらしい。人間も、まず研ぎ澄ますべきは「パッシブ」のほうでしょう。(p.66)

新書マップ・・・新書と一部の叢書、学術文庫しかヒットしません。専門書や珍しい本がヒットしない。

PR雑誌・・・講談社『IN・POCKET』『本』、集英社『青春と読書』、新潮社『波』、筑摩書房『ちくま』、ダイヤモンド社『Kei』、光文社『本が好き!』

著者は普通、本を年に何冊も出すことができないので、自分の「本の中で紹介する本」は、著者にとって、とっておきの本であることが多い(p.78)

知識の体系化・ブックガイド・ハブ本(p.79)


■ 第3章 「読書ノート」で本と対話する

何年、何十年と続けることができるシステムを運用してはじめて、参照したり、詳しい読書ノートを作ったりといった応用が利くようになるのです。だから、「継続できること」はすべてに優先します。(p.83)

アウトプットを前提とすることでインプットの能力がアップする(中略)抜き書きをする箇所は厳選し、自分の感想は短く深く書く(p.85)

目的を「読了する」から「読書ノートを作る」に変えることで、自然と読書のアプローチが変化してくる。「読んだから読書ノートを作る」のではなく、「読書ノートを作るから読む」のです。(p.87)

読書ノートの書き方にもコツがあります。簡単に言うと「自分にとって大切なこと」に徹底してフォーカスすることです。(p.87)

継続のコツは「適宜」と「随時」にあります(中略)かたちはどうあれ、継続してさえいれば、いつかじっくりと読書ノートを書きたくなるときはきます。安心してください。(p.91)

あたりをつける・サーチ読み・重要箇所を抽出する作業(p.92)

大事なのは、あくまで「自分の」心が動いたところです。客観的に重要な箇所や著者が強調しているところでも、何も感じなければチェックは要りません。(p.106)

読書とは、ある程度は「思考のダダ乗り」だと思います。ある程度のところまで連れて行ってもらったら、そこから先へ、少しでも自分の顕で考えることが大事になってくる。感想を書くことは、本を触媒に自分の考えを作り出すための装置と言えます。(p.112)

第三章に登場した書籍

  • 『考える技術・書く技術』(板坂元/講談社現代新書)
  • 『本の運命』(井上ひさし/文藝春秋)
  • 『読書について』(ショウペンハウエル)
  • 『幸福論』(アラン)

■ 第4章 ノートを活用して「アウトプット」

「本にこう書いてあった」というのが「情報の摂取」。「本にこう書いてあったのを私はこう受け取った」「それをきっかけにこう考えた」というのが「読書体験」と言えます。(p.118)

情報がいくらあっても、アウトプットをやらないと体系的な知識にはならないわけでつまり、人はよく知っているからしゃべったり本を書いたりできるのではなく、講演したり文章を書いたりするから、より高度に「知る」ことができる。(p.121)

自分だけのデータベース(p.139)

最終的には、読書の効用は、自分だけがわかっていればいいことです。(p.142)

第四章に登場した書籍

  • 本田勝一『日本語の作文技術』(朝日文庫)
  • ジェームス・W・ヤング『アイデアのつくり方』(阪急コミュニケーションズ)
  • 築山節『脳と気持ちの整理術』(NHK出版)

■ 第5章 生活を変化させる「応用読書」

「レファ本」というのはノンフィクション作家の日垣隆さんの造語で「レファレンスブック」「参考図書」のこと。簡単に言えば「百科事典」のような、何かを調べるときの辞書の役割を果たしてくれる本のことです。(p.156)

三冊を併読するには、「飽き」を逆手にとって読み進める実践的な方法があります。(p.171)

内容が頭に入らないときは・・・漫画版・解説書・図解版・ダイジェスト版・講演録・対談・大活字版・現代語訳

耳学問・・・FeBe!

大型書店の講演会・セミナー・・・紀伊國屋書店・三省堂書店・ジュンク堂書店・丸善・ブックファースト・リブロ

その他・・・商工会議所・日本貿易振興機構・自治体・博物館・美術館

第五章に登場した書籍

  • 日垣隆『使えるレファ本150選』(ちくま新書)
  • 『週刊新潮』『週刊文春』『SPA!』『文藝春秋』『中央公論』

■ 第六章 インストール「グッズ」

マーカー代わりの色鉛筆│三菱鉛筆【ダーマトグラフ】


■ あとがき

本書のアイデアの一部だけを実行したり、自分が使いやすいように、やり方をカスタマイズして下さい。ルールに遊びのない方法は、途中で嫌になってしまうものです。自分なりにアレンジしつつ、ぜひ継続してみてください。そして、確かな効果を感じてください。実行すれば、きっとあなたの読書生活は変わるはずです。(p.211)


読後の感想

続けて読んでしまった影響はあると思うけれど、本田直之さんの『レバレッジ・リーディング』と同じような印象を受けた。『読書は1冊のノートにまとめなさい』の方が、読書や本というものについて、少し細かいことや周辺のことを述べてくれていたと思う。 ただ、『レバレッジ・リーディング』 には、読書がビジネスにもたらす利益について書かれていたのに対し、『読書は1冊のノートにまとめなさい』には、読書が何に影響を与えるかといった主張はなかったように思う。

つまり、『読書は1冊のノートにまとめなさい』は、既に読書をしている人に向けた、読書を記録したり広げたりする本で、『レバレッジ・リーディング』は、読書は割の良い投資行動だからと、読書を勧める本だったように思う。

著者それぞれに本を読む理由が確かにあるようだが、それらは果たして読者にとって、共感できるものなのだろうかと疑問に思う。共感できていて、読書と読書記録の効果を感じているなら、このような読書術という類の本は読まなくても良いのではないだろうか。つまり、せっかく読んだけれど、読みっぱなしになっている人が、そうではいけないと思い、読んでみているのではないだろうかと思う。

しかしながら、著者が本を読む理由を語ってくれてはいるが、やはり、その読書の効用がどの時点で確かに効いているかどうかというのが、わかりにくいということが、読書をすることと読書記録を遠ざけているように思う。そこに戻ってきてしまうのである。

では、どうすれば良いか。

その答えとしては、読書と読書記録のハードルを下げることで、継続することを最優先にし、効果を実感することをただ待つしかないのではないだろうか。

全て出来る範囲で【本を読む目的を明確にしよう。読書記録をつけよう。これからの行動に活かそう。行動を振り返ろう。考えを深めよう。さらに読書を進めよう】そのサイクルに尽きるのだろう。

奥野宣之さんの最新書籍



抄訳 渋沢栄一『至誠と努力』奥野宣之

日本史上最強のビジネスマン・渋沢栄一の生き方、働き方104の教え!

農民の子として生まれながら、尊王攘夷思想に傾倒し、城の乗っ取りを計画するも中止。そこから一橋家の家臣となって幕臣になり、認められてパリの博覧会へ派遣され、明治維新後に帰国。大蔵省の官僚になるものの、辞職して日本初の銀行の設立に尽力。100年後のいま、日本資本主義の父と称される渋沢栄一。なぜ彼はこんな人生を送ることができたのか。

本書は渋沢栄一75歳の時の講話録『至誠と努力』からその人生観や仕事観が凝縮された言葉を厳選し、現代を生きる人たちへ向けたメッセージとして編訳しました。

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ゆきひこ

言葉の渦に溺れがちですが、それでもなんとか呼吸するために、言葉を書いています。潔く憂鬱。

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