本を紹介するにあたって、この本(の内容)は、どの分類(ジャンル)に属するのか、カテゴリーやタグ付けを一々悩むので、その辺りのことを調べてみました。
どうして分類が必要か?
- 分類(ジャンル)から探すことで、探し求めている本を探しやすくなる
- 今まで読んできた本との関連が想像できる(整理できる)
- 本のタイトルだけでは、どの分類に属する本なのか判別がつかない、など
本や書籍、雑誌、その違いとは?
本というものについて調べてみると、出版業界では「本ではなく書籍、雑誌以外を書籍と呼ぶ」という記述(記事)がよく見られました。語源を遡っての記述もありましたが、現代において、本と書籍という言葉に、明確な使い方の違いは無さそうでした。それらに並ぶ、図書という言葉については、書籍に比べ、知識を伝える意味合いが強い、という記述がみられました。ただ、とりわけ、出版業界では「書籍」、図書館では「図書」というように、慣習的に用いられている、といった印象でした。
書籍と、書籍以外の雑誌の違いについては、それが定期刊行物であるかないかで、分けられているようです。それはつまり「雑誌は定期刊行物であり、書籍は定期刊行物ではない」ということでした。また、その分類は書籍または雑誌の、裏面にあるコードを見るとわかるようになっているようです。
- 書籍には、ISBNコード【図書(書籍)および資料の識別用に設けられた国際規格コード(番号システム)】が2つ
- 雑誌には、雑誌コード【日本で出版社が発行している雑誌を管理するために、使われている識別コード】が1つ
- ムック本【雑誌(magazine)と本(book)の中間のもの】には、ISBNコードが1つ、もしくは、ISBNコードと雑誌コードが1つずつ
どうしてそのように定義されているかについて、もう少し踏み込んで調べてみると、その理由は、【第13回ユネスコ総会採択、図書及び定期刊行物の出版についての統計の国際化な標準化に関する勧告(仮訳)1964年11月9日】にあるようです。一部引用すると、
図書とは、国内で出版され、かつ、公衆の利用に供される少なくとも49ページ(表紙を除く。)以上の印刷された非定期刊行物をいう。
文部科学省 図書及び定期刊行物の出版についての統計の国際化な標準化に関する勧告(仮訳)
https://www.mext.go.jp/unesco/009/1387084.htm
とあり、これが書籍と雑誌を分類する元(定義)だと思われます。
参考:以下、原文
Recommendation concerning the International Standardization of Statistics Relating to Book Production and Periodicals
http://portal.unesco.org/en/ev.php-URL_ID=13068&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html
書籍には、どんな分類(ジャンル)があるか?
書籍の分類について調べてみると、日本の図書館で広く使われている分類法『日本十進分類法(NDC)』が、よく紹介されています。膨大な図書を管理している図書館で使われている分類法であるので、とりあえず、その分類を見てみようと思います。全ての分類を並べると長くなるので、一部だけ並べてみます。
日本十進分類法(NDC)
- 00 総記
- 10 哲学
- 101 哲学理論
- 102 哲学史
- 103 参考図書[レファレンスブック]
- 104 論文集. 評論集. 講演集
- 105 逐次刊行物
- 106 団体
- 107 研究法. 指導法. 哲学教育
- 108 叢書. 全集. 選集
- 109
- 11 哲学各論
- 110 哲学各論
- 111 形而上学. 存在論
- 112 自然哲学. 宇宙論
- 113 人生観. 世界観
- 114 人間学
- 115 認識論
- 116 論理学. 弁証法. 方法論
- 117 価値哲学
- 118 文化哲学. 技術哲学
- [119] 芸術哲学. 美学 →701
- 12 東洋思想
- 13 西洋哲学
- 14 心理学
- 15 倫理学. 道徳
- 16 宗教
- 17 神道
- 18 仏教
- 19 キリスト教. ユダヤ教
- 101 哲学理論
- 20 歴史. 世界史. 文化史
- 30 社会科学
- 40 自然科学
- 50 技術. 工学
- 60 産業
- 70 芸術. 美術
- 80 言語
- 90 文学
国立国会図書館オンラインで、本を検索すると、この分類法によるラベルが記載されています。(国立国会図書館では、国立国会図書館分類表(NDLC)という独自の分類法が用いられています。)
参考:国立国会図書館分類表(National Diet Library Classification:NDLC)
https://www.ndl.go.jp/jp/library/data/ndl_ndlc.html
図書館で調べ物をする際に、この分類法に従って並べられていることを頼りに、本を探すと思います。しかしながら、ここ(思索の跡)では、図書館みたいに本を並べる訳ではないですし、一々調べるという手間があるので、皆さんも利用されているであろう、Amazonがどのように分類しているか見てみようと思います。ここでも全ての分類を並べると長くなるので、一部だけ並べてみます。
Amazonの分類
- 文学・評論
- 人文・思想
- 教育学
- 倫理学・道徳
- 心理学
- 哲学・思想
- 哲学入門
- 東洋思想
- 哲学
- 西洋思想
- 西洋哲学入門
- ドイツ・オーストリア
- フランス・オランダ
- 古代・中世・ルネサンス
- 近現代
- イギリス・アメリカ
- その他
- イタリア
- ロシア
- スペイン・ポルトガル
- 論文・評論・講演集
- 認識論
- 叢書・全集
- 辞事典
- 倫理学
- 人生論
- 死生観
- 形而上学・存在論
- 思想誌
- イデオロギー
- 論理学・現象学
- 現代思想
- 自然哲学・宇宙論・時間論
- 哲学史
- 宗教
- 言語学
- 文化人類学・民俗学
- 本・図書館
- 女性学
- 参考図書
- 思想誌
- 社会・政治・法律
- ノンフィクション
- 歴史・地理
- ビジネス・経済
- 投資・金融・会社経営
- 科学・テクノロジー
- 医学・薬学・看護学・歯科学
- コンピュータ・IT
- アート・建築・デザイン
- 趣味・実用
- スポーツ・アウトドア
- 資格・検定・就職
- 暮らし・健康・子育て
- 旅行ガイド・マップ
- 語学・辞事典・年鑑
- 英語学習
- 教育・学参・受験
- 絵本・児童書
- コミック
- ライトノベル
- ボーイズラブ
- タレント写真集
- ゲーム攻略本
- エンターテイメント
- 新書・文庫・ノベルス
- 雑誌
- 楽譜・スコア・音楽書
- カレンダー・手帳
- ポスター
- 古本
- 古書・希少本
- アダルト
この2つの分類を比較してみると、図書館の分類は学術に対応した分類であり、Amazonの分類は幅広いあらゆる本に対応した分類になっていることがわかります。もうひとつ、参考に、紀伊國屋書店の分類も一部並べてみます。
紀伊國屋書店の分類
- 和書トップ
- 文芸
- 教養
- 人文
- 歴史
- 世界史
- 日本史
- 文化・民俗
- 地理
- 哲学・思想
- 全般
- 哲学・思想一般
- 辞典・事典
- 哲学史
- 東洋思想
- 倫理学
- 言語学
- 論理学
- 形而上学
- 構造主義・ポスト構造主義
- 概論
- シリーズ
- 古代哲学
- 中世哲学
- 近代哲学
- マルクス思想
- 批判理論
- 現象学
- 実存主義
- 分析哲学
- 科学哲学
- 日本の哲学・思想一般(事典・概論)
- 日本の哲学・思想(近世)
- 日本の哲学・思想(近代)
- 日本の哲学・思想(戦後思想)
- 日本の現代思想
- 表象文化論
- 政治哲学・社会哲学
- 国家論・帝国論
- ナショナリズム
- 哲学・思想その他
- 宗教
- 宗教・神道
- 宗教・仏教
- 宗教・キリスト教
- 精神世界
- 精神分析
- 精神医学
- 心理一般
- 基礎心理
- 認知心理
- 発達心理
- 臨床心理
- 社会心理
- 国語学
- 図書館・博物館
- 全般
- 教育
- 社会
- 法律
- 経済
- 経営
- ビジネス
- 就職・資格
- 理学
- 工学
- コンピュータ
- 医学
- 看護学
- 薬学
- 芸術
- 語学
- 辞典
- 高校学参
- 中学学参
- 小学学参
- 児童
- 趣味・生活
- くらし・料理
- 地図・ガイド
- 文庫
- 新書・選書
- コミック
- ゲーム攻略本
- エンターテイメント
- 日記・手帳・暦
大きな本屋(書店)さんの分類なので、個人的には、わかりやすいという印象です。本屋さんで本を探すときに頼りにする、あの分類のイメージです。
図書館の分類、Amazonの分類、紀伊國屋書店の分類を見てきました。ここ(思索の跡)では、様々な本(漫画や雑誌なども)を紹介しようと思っていますので、Amazonの分類を使うことになりそうですが、わかりやすさでいうと紀伊國屋書店の分類を使おうかなと思っていますので、どちらも参考にしつつ、分類して行こうと思います。